山田哲人は「まるで幽霊」 今季成功率100%の盗塁術
「一塁走者としての山田哲人選手について取材しています」
8月29日、DeNA対ヤクルト(横浜スタジアム)の試合前。両チームの選手や関係者に質問して回ると、誰もが「スピードがすばらしいですよね」と口を揃えた。
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前日の試合で、山田は今季29個目の盗塁を決め、昨年から続く連続盗塁成功記録を34に伸ばしていた。ヤクルトの河田雄祐・外野守備走塁コーチは「走るという気持ちが強いことが一番だよね」と言って、こう続けた。
「構えてからスタートを切って、トップに入るまでの速さは日本一だと思います。なおかつ、今年は成功を重ねていくなかでバッテリーの配球を読んで、変化球のタイミングでうまく走ることもあった。ここ数試合はいつもよりスタートは遅かったんですけど、それを塁間のスピードで補った。だから、最後のスライディングも生きてくる。ポテンシャルはもちろんだけど、そのあたりの技術もすばらしい」
その河田コーチのコメントを裏づけるように、前田真吾トレーナーは山田のポテンシャルの高さについてこう語る。
「30メートル走のタイムは、チームトップの塩見泰隆に匹敵するか、それ以上のものはあると思います。なによりゼロからトップにいくまでのスピードがすごい。それは、体は細身ですけど、パワーを秘めているから。スタートの時にグッと力を出せるので、トップのスピードが速くなるんです。
あとは、アウトかセーフかという時の集中力ですよね。メリハリというか、”ここぞ”という時のスタートや足の回転の速さ。アップの時はわりと省エネモードなんですが、『このダッシュは本気でやってみよう』と言うと、スタートから全然違います(笑)」
観察眼に長けている雄平に話を聞くと、「僕に盗塁のことを聞きますか」と苦笑いしながら答えてくれた。
「僕は警戒されていないなかで走る勇気というんですかね……そこが欠けているのでなかなかスタートが切れない。でも哲人は警戒されているなかで走って、しかも失敗しない。すごいですよね。盗塁に関しては、ナンバーワンでしょう」
そう言うと、横にいた上田剛史に「どう思う?」と声をかけた。
「ピッチャーとの駆け引きですよね。警戒されている時は無理をせず、相手がスキを見せたら迷わずいく」(上田)
一方、投手にとって走者・山田哲人はどんな存在なのか。DeNAの3投手に聞くと、表現は違えど、それぞれが同じ印象を持っていた。
「本当にうまいなぁと思います。山田選手はリードも大きくないですし、『この感じだと走ってこないだろうな』というタイミングで走ってくる。データにあるように、初球から走ってきたり、ピッチャーが変化球を投げたくなるカウントを狙って仕掛けてくることもあります。正直、いつ走ってくるのか、本当にわからないんですよ。打者としても投げづらいのに、ランナーとしてもめちゃくちゃ厄介な存在です」(上茶谷大河)
「リードは大きいというより、普通だと思うんですけど……いつ走ってくるのかわからない走塁をしますよね。ランナーによって違いはあるんですけど、走ってくる時にリードが小さくなったり、目が合うと表情が変わったり、だいたい雰囲気でわかるんですよ。でも、山田選手は、動きと構え、表情がまったく変わらない。
僕としては、常に『走ってくる』と警戒しながら投げているんです。首の動かし方だったり、間を変えたりするんですけど、山田選手はピッチャーが動いた瞬間にスタートを切るのがピカイチなので、なかなか難しいですね。スタートもいいですし、スライディングも強いし、無駄がないですよね。塁上にいるだけで嫌な選手ですよね」(石田健大)
「盗塁してくる選手というのは、走りそうな雰囲気があったりするんですけど、山田選手は本当に走る雰囲気がゼロなんです。塁上ではフワーっとした感じで、リードも特別大きくないですし、表情もオーラもすべてゼロ。なので、本当につかみどころがないというか……僕からすれば、それこそ”幽霊”です(笑)」(今永昇太)
さらに今永は、これまでの一塁走者に山田を迎えての局面についてこう話す。
「けん制やウエストのサインも出ますし、真っすぐのサインも多くなるなど、警戒レベルは最高に達しています。そのなかで、僕は最短のクイックで投げ、キャッチャーも捕球してからベストの送球をする。『これは間一髪アウトかな』とこれまでの経験でわかるものなんですが、振り返ってみると、もうセカンドに滑り込んでいて、悠々セーフなんですよ。バッテリーで最善を尽くしたのに、あれだけ余裕でセーフということは……トップスピードに乗るのも速いですし、スタートも抜群だと思いますし、僕にクセがあるのかもしれないですけど、どうすればいいんだっていう感じです(笑)」
そして、こうも続けた。
「山田選手に対しては、まず出塁させないことが大前提です。でも、塁に出してしまった時は、もちろん盗塁は防ぎたいですけど、もう二塁にいるものと仮定して投げます。相手にそこまで最悪のことを想定させてしまうのが、山田選手です」
山田は29日の試合で、プロ野球史上初となる4度目の「シーズン30本塁打、30盗塁」を達成した。
「まだシーズン途中ですが、30本、30盗塁というのはシーズン前から目標としていたので素直にうれしいです」
試合後の囲み取材で、山田はそう答えた。口調はいつもと変わらず、穏やかでやさしい。その姿を見ていると、2014年に聞いた山田の言葉を思い出すのだった。
「将来は、相手に嫌がられる選手になりたいです」
あれから5年、山田は十分すぎるほど相手に嫌がられる選手になった。
そして、8月30日の試合で山田は今季32個目の盗塁を決め、シーズン連続盗塁成功のプロ野球記録を更新。史上初の成功率100%の盗塁王も現実味を帯びてきた。
参照元:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190902-00870170-sportiva-base&p=1
ネットの声
チームメイトの雄平や上田の意見やコーチの意見、相手チームの投手の気持ちを聞けたのはなかなか面白い。
3人の投手からすれば、山田のことをそういう風に思っているんだなと。
確かに山田はあまり、表情も変わらないし、気づくと2塁付近でスライディングをしている。
山田が塁に出ているときは、この記事をみて今までより、違った見方をしてみようと思う。
ないのに気がついたら相当の結果を残している。
それでもそれを積み重ねたから今は全てに最大限の警戒をされていると
思いますがそれをもってしても尚そういう雰囲気・オーラを感じさせない
ところは山田選手のある意味凄みですよね。
こういう証言を元にすると山田選手が今後もこういう成績を残し続けよう
とするならば、環境を変えるよりもスワローズで長くプレーするほうが
成績は残しやすいように感じます。
山田移籍による大きな戦力ダウン+ライバル球団の大きな戦力アップだけは阻止しないと。
まあ最終的には本人の意思によるものだからどうにもならないが、親会社がもっとヤクルト球団に対し本腰を入れて強くしていかなければ、いつまでも弱小球団では選手にとってもモチベーションも下がり退団して行く選手は減らないだろうね。
飄々としていてどこかふんわりしていて可愛らしく、やることは恐ろしい。
外見的なものかなと思って何度も球場で観察してましたが試合前のストレッチからスマートなんですよね。音を立てないというか。仕草行動が無駄がなく美しい。
試合が始まって盗塁にしてもホームランにしても守備にしてもそしてファンへのお礼の仕方も美しく教科書みたいでした。特に盗塁後のスライディング後が好きです。彼は必ず立ち上がりスライディングしたままと言うのがないんですね。ベースに綺麗に足がつき立ち上がり審判のセーフをたった状態で聞く。これってなかなかできる選手いないことですから。敵ながらあっぱれです。
山田選手も、一般人より体は大きいので無理に野球選手だからと大きくしないで今の状態で長く現役を続けてほしいです。
しかし、言い方は悪いですがヤクルトという球団が原因なのかわかりませんが、イマイチ大々的に報道してもらえない。
相手が山田くんだ、つーのもあるけど、話を振られてこれだけコメント出来るってのは、日頃から高い意識レベルでプレーしてる証拠だし、自分の投球で一杯一杯の選手には絶対出来ない芸当だと思う。
デナが現在の順位にいるのも妥当だと思う記事でした。
こんな選手が増えて盛り上げてほしい。
安易にメジャーへ行かないで。
坂本、丸、柳田、山川などと日本を盛り上げてくれ。
もちろんスタートもスライディングも素晴らしいけど、自分は1番帰塁する技術が長けていると思う。あんなに警戒されてる中牽制死しないのも注目するべき点だと!
今永のような球界を代表するピッチャーからの意見も面白い。こういう記事はもっと読みたくなる!(笑)
目指せ失敗なし盗塁王!そして40-40!
確かに打席でもふわっとした感じで、チャンスでもヤル気あるのか分からないような感じ。
ふわっと打席に入る山田
力みまくっているのが分かりやすいココ
初球からオラオラ系で振る雄平
仏像のような感じからフルスイングの村上
面白いクリーンアップだと思う。
余計に価値は高い!
山田哲にしか分からない野生の感があるんだろうなぁ
この記録は暫く破られそうにないですね
トリプル33度達成も何十年も破られないと思います!
特にトリプル3は不滅の記録になるかも。
打率本塁打盗塁1つでも欠けたらダメなので
1度達成するだけでも大変な事です。
盗塁の気配を消した方が良いのか
分からなくなってくる
盗塁の概念自体を揺るがす
山田の走りはそれだけ凄いのだと
改めて感心する
後ろのバレンティンのことをよく理解しているというのもあるだろう。塁上でもう一回打席に立っているくらいの気持ちで、配球を読んでいるのだと思う。
同じプロの投手にここまで言って貰えたら嬉しいだろうね。
セカンドの阿部のポジショニングの悪さで助かった。
このまま、怪我なく記録を更新してほしいし、バッテリーは頑張って阻止してほしい。
次の打者がカウント気にしたり、球種気にしたりしなくても良い。
逆に初球走らないと、ほぼこの打席では盗塁無いと思っていいんだけどね。
表情を変えず淡々としている。それが物足りないと思う向きもあるかもしれないが、ひょっとしたら気配を消すためにわざとそうしてるのかも知れないなどと思ってしまう。
いずれにしてもとても興味深い選手だ。
時代とともに野球の質が変わって成功確率の高いときでしか走らない(走らせない)ようになったのもあるんだろうけど、失敗ゼロは凄い。
イマイチ注目されないのはやっぱりチーム順位ってことなのかな。。。
それだけ野球はチームスポーツということでしょうね。
この先FA権を取ったら、どこにいくのか…非常に注目しています。
直線だけ速くても盗塁は成功しない。
盗塁は技術力ですね!
無暗に走ってチャンスを潰す事もしない。
バレンティンにも気を遣って走るし(笑)、素晴らしい選手。
元巨人の鈴木みたいに代走でほぼ確実に走らなきゃいけないタイプではないにしても走ることを気付かれないって最高の走塁技術だと思うわ。
ヤクルト自体は断トツ最下位で、村上選手や山田選手の記録が楽しみになってしまっているけれど、山田選手が塁に出た時の動きや、相手バッテリーとの駆け引きを観に行くのも、それもまた野球の楽しみ方もしれないね。
こんな選手、巨人は欲しいでしょうね。
坂本山田の二遊間は脅威ですね。
しかしFAが近いけど、どうすんだろね。ヤクルトの水が合ってる気はするけど傑出したイメージを残すには出たほうがいい気もする。
そして、山田まだまだ過小評価されすぎだと思う。
守備も上手いし、エラーも少ない。
代表のセカンドは山田固定で良いと思うわ。
ホームランは、半減するかも知れないが、彼ならなにかやってくれそうな雰囲気がある。
次の1球で必ず走るという前提なら(充分警戒して)山田は超すごいのかどうかわかんないな。この記事では。
警戒が緩んだスキや配球を読んでが巧いのか、単に速いのかが。
人が緊張状態から次の動作でふいに目をそらす瞬間というのを理解して利用する様がまるでマジシャンだと思っていた。
もともと盗塁のうまい山田に河田コーチのマジシャンタイミングが乗っかればなかなかの最強ぶりに思う。
人柄の良さがうかがえてファンになる
今回の方々は元々好きな選手ばかりだけど
よく走塁でチョンボする、遠藤と亀澤に盗塁の極意をオフに伝授して欲しい(笑)
福本さんとまず塁に出ないと盗塁は出来ないから自身の記録は打撃と表裏一体と
100%はすごすぎる。
行ける時にしか行かないって言うのはあるんだろうけどそれでもリーグトップだからなあ。アッパレです
バレンティンだものね
村上くんの打点稼ぎも繋がってる気が
でも順位に反映しないけど
塁上で気配を消す事が出来るんですね。
イチローがメジャーで45コ連続盗塁成功があるからリーグが違えど目指してほしいと思う。
逆にどのようなバッテリーで、誰が刺すか?も注目されるでしょう
成功率100%はさすがに相手も脅威だと思うよ。
現場の人間が一番よくわかってる。
これが相手からすると最善だわな。
盗塁を無理にでも阻止しようとすると、牽制失敗もまた投手にはプレッシャーになるし、クイックモーションからの直球で防ごうとすると、バレ・雄平・村上と一発のある打者から痛打を浴びる可能性もあるし。
管理人の率直な感想
成功率100%で盗塁王になれば史上初!
既に史上初でいえば本塁打王と盗塁王の同時受賞やトリプルスリー複数回達成者を記録しています。
今季もまたプロ野球の歴史を塗り替えそうですね。
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